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マスタリングメーターの読み方

マスタリングメーターは、まとめて読んで初めて役に立ちます。単独の数値だけでマスターの良し悪しを判断することはできません。

ブラウザデモでは、ラウドネス・ピークレベル・クレストファクター・相関値(コリレーション)・フェーズスコープ・ステレオイメージを表示します。それぞれ、音量・ピーク安全性・密度・ステレオの再生互換性を別の角度から見たものです。

メーターはグループで読み、最後は耳で判断する

単独の数値でマスターの良し悪しは決まりません。ラウドネス+ピークは「ターゲットに合っていて安全か」を、クレストファクター+相関値は「生命感が残りモノラルでも崩れないか」を答えます。メーターは問題の発見に使い、確認は耳で行ってください。

主要な読み方

メーター答える問い
Output LUFS選んだ配信ターゲットに近いか。
ピーク/True Peak再生や変換に対するピーク安全性があるか。
クレストファクターピークと平均の動きが残っているか。
相関値(コリレーション)モノラル再生に耐えるステレオイメージか。
フェーズスコープステレオフィールドが安定しているか。
ステレオイメージ効果的なサイドエネルギーか、危険な広げ方か。
METERS · LOUDNESSIDLE
ラウドネス計測 — LUFS・トゥルーピーク・レンジ

バーは再生中の瞬時ラウドネスを追い、パネルは時間ごとのラウドネスです。インテグレーテッド LUFS は全体を表す一つの数値、トゥルーピークはサンプル間も含む本当の上限、LRA はラウドネスの動く幅を表します。ウィンドウを切り替えると、速い瞬時メーターと滑らかな短時間メーターを比べられます。

ウィンドウ

最初に見るもの

まずはラウドネスとピーク安全性を確認します。ターゲットから大きく外れている/クリップしているマスターは、まだ完成ではありません。

次にクレストファクターと相関値を見ます。ターゲットに合っていても、クレストファクターが低すぎると生命感のない音に聞こえます。ヘッドホンで広く聞こえても、相関値が不安定ならモノラル再生で崩れやすくなります。

完璧な数値を追わない

ジャンルによって妥当な値は変わります。密度の高い EDM、スカスカなアコースティック、スピーチ、AI 生成音源が同じクレストファクターやステレオ値になる必要はありません。「業界標準の値」をひとつだけ目標にすると、素材によっては不自然な処理を続けてしまうので、まずは曲調と公開先に合った妥当なレンジを見極めるところから始めます。

メーターは問題発見のために使い、最終判断は耳で行います。

  1. ラウドネスマッチングを有効にして Before/After を比較する。
  2. パンチの喪失、ハーシュさ、ポンピング感、ステレオの偏りを聴く。
  3. リファレンストラックと同じレンジに入っているかをチェックする。数値を完全一致させる必要はない。
  4. 別環境(スマートフォン、安いイヤホン、車載スピーカー)でも違和感がないかを確認する。
実装メモ

デモには、2 つの計測経路があります。

経路目的表示/保存先
軽量な UI 用メトリクス操作中の即時フィードバックVue コンポーネント
正式なレンダリング結果メトリクスレポートに残す処理結果libsonare の render 結果と JSON レポート

UI のピーク、RMS、クレストファクター、相関値は、ソースまたはレンダリング後のバッファをストライドサンプリング(全サンプルではなく N サンプルおきに読む)して求めています。フェーズスコープとステレオイメージは可視化補助です。

そのため、UI に表示される数値と JSON レポート内の値が少し違って見えることがあります。処理結果として記録する値は JSON レポート側を基準にしてください。

プリセット検証スクリプトでは、生成したテスト信号をマスタリングチェーンに通します。

確認しているのは、実用上重要な 3 点です。

確認項目意味
有限の LUFS 値ラウドネス経路が無効な数値を出していないこと。
適切な範囲のピークレベルチェーンの出力が暴走していないこと。
想定どおりのステージ名プリセット配線が公開レポートの形と合っていること。

これにより、プロセッサ配線の破綻やプリセット定義の矛盾を、デモや下流ユーザーへ届く前に検出できます。

関連: LUFS, True Peak, クレストファクター, モノラル互換性